商談の文字起こしを「全文」でAIに渡したら、
提案書と質問リストがその日にできた
オンライン商談が終わると、議事録をまとめて、宿題を整理し、次に送る資料を作る。この「後片付け」が一番時間を食います。先日、この作業をほぼ丸ごとAIに任せてみました。
使ったのは、オンライン会議の会話を文字にしてくれる Tactiq(タクティック)(Google Meet・Zoom・Microsoft Teamsに対応したChromeの拡張機能)と、パソコンの作業をAIに任せられる Claude Code(クロードコード) の2つだけです。Tactiqは無料プランのまま、Claude Codeもふだん契約している範囲で使ったので、この作業のために追加で払ったお金はゼロです。
やったことは「リンクを貼って、ひと言頼む」だけ
ある士業の先生と30分のオンライン商談をしました。話の中で「一緒にセミナーをやりましょう」という流れになり、こちらが「企画案と、先生への質問リストを作って送ります」と宿題を持ち帰りました。
商談が終わった後、私がClaude Codeにしたのはこれだけです。
「(Tactiqの共有リンク)これよく読んで、資料作りと、先生への質問を作ってください」
あとはClaude Codeが自分でブラウザを操作して、次のことを進めました。
- 1. 文字起こしを全文読む:Tactiqのページを開き、要約だけでなく、30分ぶん・約1万2千字の会話を最初から最後まで読む。
- 2. 相手の資料も読む:商談中にいただいたPowerPoint(15枚。中身はすべて画像)を1枚ずつ開いて、図や数字を読み取る。
- 3. 企画書を作る:セミナー2本の構成、役割分担、日程のイメージ、先生への質問17問を、A4で数ページのPDFにまとめる。
- 4. 記録を残す:社内のタスク管理ツールにチケットを立てて、経緯と次の一手を書いておく。
私が確認して直したのは、できあがった企画書の細かい言い回しくらいです。
要約だけでは足りない。「全文」を渡すのがコツ
Tactiqには会議の要約を作ってくれるAI機能もあります。とても便利ですが、今回はここに落とし穴がありました。
商談の中で、補助の割合について「50%」と「75%」という2つの数字が出ていました。話が行ったり来たりしたので、要約では「数字が混ざっているので要確認」という書き方で止まっていたのです。
Claude Codeは、会話の全文と、相手の資料のスライドを突き合わせました。その結果、「研修の費用に対しては最大75%、システムの導入費に対しては50%が上乗せされる」という、2つの数字の関係が見えてきました。そこで質問リストにも、次のようにこちらの理解を書いたうえで確認する質問が入りました。
「研修費の助成が最大75%、システム導入費への上乗せが50%、という理解で合っていますか?」
「数字がよく分からなかったので教えてください」と聞くのと比べると、相手の手間がまるで違います。要約は「何を話したか」の目次、全文は「何が決まっていないか」を見つけるための材料。後片付けをAIに任せるなら、全文を渡した方がうまくいきます。
もうひとつ、全文を読んだからこそ拾えたことがあります。商談の途中で、実は「研修の話」と「システム開発の話」の2つが混ざっていたのです。企画書では、これを最初から「セミナーを2本に分ける」という形で整理できました。
商談の「前」にも使える
同じ日の朝には、商談の前の準備も任せていました。Googleカレンダーからその日の商談相手を拾い、これまでのメッセージのやりとりを読んで、相手ごとに「何を提案するか」「何に気をつけるか」を1枚の表にしてもらいました。
その表のおかげで、商談の最初の5分で相手の関心を確かめられました。そして商談の後は、文字起こしから企画書と質問リストへ。準備から後片付けまでが1本につながるのが、Claude Codeを使う一番のよさだと感じています。
かかった費用
- Tactiq:無料プラン。1か月に10回の会議まで文字起こしでき、AIによる要約などは月5回まで使えます(今回はそれぞれ1回ずつ使いました)。11回目以降も使いたい場合は、文字起こしが無制限になるProプランが必要です。年払いで年14,992円(月あたり約1,249円)で、月払いを選ぶとさらに3割以上高くなります(2026年9月時点の公式サイトの表示)。商談が月10回に収まるなら、無料プランのままで十分です。
- Claude Code:ふだん契約しているClaudeの有料プランの範囲内。今回のために追加で払ったお金はありません。
- その他:Google Meet、Chrome、PowerPoint、PDF変換は、どれも手元にあるものだけ。
使うときに気をつけること
- 相手に伝える:Tactiqは、文字起こしをしていることを会議のチャットに自動で知らせてくれます。それとは別に、最初にひと言「記録を取らせてください」と伝えておくと安心です。
- 最後は自分で確認する:AIが作った資料は、相手に送る前に必ず自分で読みます。特に金額や割合などの数字は、相手の資料と照らし合わせて確かめます。
- 音声認識は間違えるもの:文字起こしには聞き間違いが混ざります(今回も「リスキリング」が「リスニング」になっていました)。前後の話から意味をくみ取れるので、全文を読ませる方が、この間違いにも強くなります。
議事録をまとめる、宿題を整理する、次の資料を作る。商談の後片付けは、いちばん「自分がやらなくてもいい」仕事かもしれません。POSIIでは、こうした実務をClaude Codeに任せる方法を、実際の画面を見ながら学べる講義を行っています。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
商談のあとの作業を、その日のうちに終わらせる。
文字起こしから提案書と質問リストを作る流れは、POSIIが自社の商談で実際に使っているやり方です。御社の業務に合わせた仕組みづくりや、社内で使えるようにする研修をご相談いただけます。