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「妻の旅行動画」続編。Geminiと組ませたら、もっと細かく分類できた

POSII COLUMN

「妻の旅行動画」続編。
Geminiと組ませたら、もっと細かく分類できた

——AIは1つに頼らず、得意分野で組み合わせる

前回の記事の続きです。あとから見つかったスマホ写真・動画798枚を追加で整理することになったのですが、今回はClaude Code単体ではなく、Googleの生成AI「Gemini」を組み合わせて作業させてみました。結果、前回よりもさらに細かい単位——具体的な店名やホテル名のレベル——まで分類できました。

前回の記事(動画整理をClaude Codeにやらせたら妻より早くて正確だった、という話)を書いたあと、家族から「実はスマホにもまだ写真と動画が残ってた」と、11個のフォルダに分かれた798ファイルが追加で送られてきました。同じように整理してほしいとのことでした。

ここで少し気になっていたことがありました。前回の作業中、Claude Codeは場所の特定を何度か間違えていたのです。あるビーチの映像を「ハンティントンビーチ」だと自信満々に説明していたのですが、実際は「ニューポートビーチ」でした。文字が読める看板があればともかく、風景だけで場所を当てるのは、Claude Codeが必ずしも得意な作業ではないようでした。

そこで今回は、「場所や施設の特定はGemini」「ファイルの整理・重複排除・大量データの一貫した処理はClaude Code」という役割分担で進めることにしました。

実際の流れはこうです。

  • ①重複排除:798ファイルのMD5ハッシュ値を計算し、内容が完全に同じファイルをまとめたところ、527枚のユニークな写真・動画に絞り込めました。
  • ②時間でグルーピング:撮影時刻を見て、45分以上の間隔が空いたら「別の行動」とみなしてグループ分け。527枚が81個のまとまりに集約されました。
  • ③代表カットの抽出:各グループの先頭1枚をサムネイル化。動画はffmpegで1コマ切り出します。
  • ④Geminiへの問い合わせ:「この旅行はこういう日程で、こういう場所を回った」という前提情報を添えたうえで、サムネイル10枚ずつをGeminiに見せて、場所・施設名・シーンを聞いていきます。Geminiは必要に応じて自分でWeb検索もしながら答えてくれました。
  • ⑤仕分けの実行:Geminiの回答をもとに、Claude Codeが527枚を実際のフォルダへ移動。24個の新しいフォルダを自動で作りました。

この分担にしてみると、結果の解像度が明らかに変わりました。前回は「2月18日のラスベガス」止まりだったところが、今回は「G Hotel Henderson」「Travelodge LAXサウス」「Prince Street Pizza」のように、具体的な店名・ホテル名まで判明していきます。

前回記事で紹介した6日間が、実際は今どんなフォルダに分かれているか並べてみます。

2/9前回記事:東京ディズニーシー→ 現在1個
  • 東京ディズニーシー
2/13前回記事:渡米(Zipair搭乗)→ 現在4個
  • 成田出国(Zipair搭乗)
  • 成田空港内(搭乗ゲート付近)
  • LAXから高速道路
  • エルセグンド滞在(買い物・トラベロッジ)
2/15前回記事:ニューポートビーチ→ 現在5個
  • ホテル
  • ビーチ(海岸線)
  • ニューポートピア(店・広場)
  • コロナデルマー展望
  • Chick-fil-A(夜)
2/17前回記事:ラスベガス(フリーモント)→ 現在5個
  • MainStStation周辺
  • フリーモントストリートエクスペリエンス
  • HeartAttackGrill
  • フリーモント夜景(ElCortez・VEGASサイン)
  • ホテル部屋からの夜景
2/19前回記事:グランドキャニオン(ホースシューベンド)→ 現在6個
  • 知人宅訪問&食事
  • 市内ショップ
  • バス移動
  • ホースシューベンド
  • アンテロープキャニオンへ移動
  • アンテロープキャニオン
2/20前回記事:帰路→ 現在6個
  • 早朝移動
  • バーストウ_ダイナー
  • バーストウ_買い物移動
  • UCR訪問(HUB)
  • TravelodgeCostaMesa到着
  • ポキボウル

記事では「1日1枚」で紹介していた日も、実際のフォルダは複数の店・施設名まで分かれています。

比較項目 前回(Claude Code単体) 今回(Gemini+Claude Code)
対象ファイル数 動画329ファイル 写真・動画798ファイル→527ファイルに重複排除
分類の粒度 日付+大まかな行動
(例:「2/18 ラスベガス」)
具体的な店名・ホテル名
(例:「G Hotel Henderson」「Prince Street Pizza」)
場所特定の担当 Claude Code自身が推測 Gemini(Web検索も活用)
場所特定の精度 誤認あり
(ハンティントンビーチ→実際はニューポートビーチ)
誤認なし。施設名・看板の文字まで特定
フォルダ数 約46個 24個追加(合計70個)
新たに判明した内容 空白だった日程の判明/未知の2日間(サンディエゴ・ロングビーチ)の発見/帰国便映像の発見
副産物 GoPro内蔵時計の17時間ジャンプ問題を発見・修正

特に「Prince Street Pizza」は、実は以前家族から「コスタメサにピザ屋さんなかった?」と聞かれて答えられなかった疑問への回答でした。写真の中の1枚に、そのお店のメニュー表が写り込んでいたのです。人間が見れば一瞬で気づくようなことも、こちらが具体的に探しにいかない限り見つからないものです。

これまで空白だった日程や、存在すら知らなかった2日間まで見つかった。

今回とくに大きかったのは、これまで記録が抜けていた日にちが埋まったことです。出国前日(2月11日)の様子や、ロサンゼルス到着直後の1日(2月14日)がどんな日だったか、初めて分かりました。さらに、家族の記憶にも薄かった2月24日〜25日の2日間、コスタメサからサンディエゴのオールドタウン(Best Western Hacienda Hotel)へ、そしてロングビーチ(The Pike)へ足を延ばしていたことまで判明しました。ずっと「帰りの飛行機の映像がないね」と話していたのですが、その機内食を食べている写真もこの中から見つかりました。

おまけに、これまでの分類作業の中で見つけていた小さな謎も解けました。「成田を出た映像」と「LAXに着いた映像」のはずのフォルダが、なぜか中身が入れ替わって見えるという不自然な点があったのですが、動画に埋め込まれたUTC時刻を調べたところ、GoProの内蔵時計が着陸のタイミングで日本時間からアメリカ太平洋時間へ自動で17時間分ジャンプしていたことが原因だと分かりました。ファイル名の日時だけを鵜呑みにしていたら、ずっと気づかなかったと思います。

そして今回、私自身がやったことはほとんどありません。

「これも同じように分類して、時間かかってもいいからGeminiをたくさん使って」と伝えたあとは、要所で「これはどこ?」「本当にこの内容で合ってる?」と聞かれたときに答えたくらいです。サムネイルを作る、Geminiに10枚ずつ聞きに行く、答えをもとにファイルを動かす——という地味で手間のかかる部分は、すべてこちらで完結していました。

Claude Codeに「なんでも1人でやらせよう」とせず、得意な相手に任せるところは任せる。餅は餅屋、という発想がAIツールの使い方にもそのまま当てはまるのだと感じました。

1つのAIに全部やらせようとせず、得意分野で組み合わせる。今、AI活用でつまずいている方にこそ、一度試してみてほしい考え方です。

最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

大河原潤

大河原 潤

AI開発専門家

ブーム以前からAI研究に携わる、本物の専門家。「AIに使われる」のではなく、「AIを使いこなす」確かな技術力を提供します。

【アカデミックな裏付け】

  • カリフォルニア大学リバーサイド校 博士前期課程修了(研究分野:測度論、経路積分)
  • アメリカ数学会のジャーナルに論文発表

【社会的に認められた専門性】

  • AI関連書籍:『誤解だらけの人工知能』(2018年)、『AI×Web3の未来』(2023年)
  • プログラミング専門書:実務的な技術書を2冊出版(確かな実装力の証明)
  • 100社以上のAI導入コンサルティング実績、特許売却経験あり