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AIの定期ルーティンが丸1日1件も動かなかった話——Claude Codeの「同時に3件まで」と待ち方の設計

公開日
POSII COLUMN

AIの定期ルーティンが
丸1日1件も動かなかった話

——原因は「同時に3件まで」。直し方は“待ち方”と“時間割”の設計

PCもアプリも起動していたのに、AIに任せていた毎日の仕事が、丸1日ひとつも動きませんでした。

この記事の要点

  1. ルーティンは同時に3件までしか動かない(実測)
  2. 途中で止まって待つAIが3件たまると、ほかは全部止まる
  3. 直し方は「通知したら一度終わる」待ち方と、曜日と時間帯を分けた時間割

POSIIでは、Claude Codeのルーティン(スケジュール実行)に、記事の公開準備・SNSの下書き・イベントの確認などを任せています。2026年10月のある日、それが1件も起動しませんでした。何が起きて、どう直したかをまとめます。

① 何が起きたか

その日、ルーティンの実行記録はゼロでした。

まずPCを疑いましたが、フタを閉じてもスリープしない設定で、朝から夕方まで起動しっぱなし。Claudeアプリも前日から起動したまま。電源も、アプリも、ネットも問題ありませんでした。

② 原因:3つの枠が「待ち」でふさがっていた

手がかりは前日の動き方です。予定時刻を過ぎたルーティンはたくさんあったのに、始まったのは3件だけ。あとは1件終わるごとに1件ずつ始まっていました。

「実行中」の3件を開くと、どれもツールの許可確認の画面で止まっていました。誰もボタンを押さないので終わらない。「実行中」のまま何時間も居座っていたのです。

その3件を手で止めると、1分以内に別の3件が動き出しました。

ルーティンは同時に3件まで。待っている実行が3件たまると、ほかは全部止まる。

※「3件まで」は私たちの実測からの推定です。公式の仕様としては確認できておらず、変更できる設定も見つかっていません。

過去7日間の記録も見直すと、小さな詰まりは毎日のように起きていました。

13回承認待ちのまま固まった実行
72回承認まで90秒以上待った実行

③ 待ち方には2種類ある

AIが人の判断を待つとき、枠をふさぐのは片方だけです。

✕ 途中で止まって待つ許可確認や質問で止まり、「実行中」のまま待つ。
→ 枠をふさぐ。3件たまると全部止まる
○ 終わってから待つ準備して通知したら、その回は終了。返事が来たら続きをやる。
→ 枠をふさがない。何件待っていてもほかは動く

窓口が3つの役所で、書類待ちの人が窓口の前に立ったままだと、列は進みません。「揃ったら呼びますので、お掛けください」にすれば、窓口は次の人に回せます。

④ もうひとつの原因:同じ時刻に集めていた

一覧にして気づいたのは、朝10時台や昼1時台に、ルーティンが3件ずつ重なっていたことです。どれも「とりあえずキリのいい時刻」に置いていました。

枠が3つしかないのに、同じ時刻に3件以上置けば、1件でも待ちに入った瞬間に渋滞します。そこで、ルーティン全体の時間割を組み直すことにしました。

⑤ スケジュールの組み方:5つの工夫

  1. 曜日をグループに分ける「毎日」が本当に必要かを1つずつ見直し、月火水・火木・土日のように曜日を割り振る。毎日動くものが減るだけで、1日あたりの混雑が下がります。
  2. 時間帯を分ける朝は確認系、昼は下書き系、夜は重い処理、というように役割で時間帯を分ける。同じ時刻に3件以上置かないのが目安です。
  3. キリのいい時刻を避ける10:00・13:00ちょうどに集まりがちなので、数分ずつずらして並べる。
  4. 長い作業は空いている時間へたとえばメルマガの一斉送信は、20秒間隔で約770件送るので4時間ほど枠を1つ使い続けます。こうした作業は、ほかが動かない時間帯に置きます。
  5. GO待ちが出るものは、人が返事できる時間に本人の判断が要るルーティンは、すぐ返事できる時間帯に寄せる。深夜に通知しても、朝まで返事は来ません。

組むときは、横に曜日、縦に時間帯の表を作ると一目で分かります。1マスに3件を超えていないかを確認するだけです。

月 火 水 木 金 土日
朝 確認 確認 確認 確認 確認 —
昼 下書きA 下書きA・B 下書きA 下書きB — まとめ
夜 — 一斉送信 — — — 重い処理

時間割のイメージ(例)。1マス3件以内に収める。

⑥ そのほかに入れた対策

  • 許可設定の見直し:日常的に使う操作は確認なしで動くように。危険な操作は逆に禁止。
  • 見張りルーティン(1日3回):3時間以上「実行中」のものを自動で止めて、枠を空けて通知。
  • GO待ちは「終わってから待つ」に統一:準備→通知→その回は終了。
  • 週1回の全体調査:止まった原因を記録し、直すところまでルーティン自身に回させる。

ポイントは「止まらないようにする」「止まっても自動で枠が空く」「そもそも混まないように並べる」の三段構えです。

◇

AIエージェントを回す人へのチェックリスト

  • 同時に動ける数に上限がないか、実測で確かめたか
  • 同じ時刻に、上限を超える数のルーティンを置いていないか
  • 「毎日」でなくてよいものを、曜日グループに分けたか
  • 長い作業を、ほかが動かない時間帯に置いたか
  • 途中で確認画面が出ないよう、許可設定を入れてあるか
  • 判断が要る作業は「通知して終了」になっているか
  • 長時間「実行中」のものを検知して止める仕組みがあるか

AIエージェントの業務導入、つまずいていませんか?

POSIIでは、Claude Codeなどを使った業務の自動化を、自社で毎日回しながら得た知見をもとにご支援しています。「動かしてみたけれど止まる」「どこまで任せていいか分からない」といったご相談もお気軽にどうぞ。

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AIに仕事を任せるコツは、AIの賢さより先に「待たせ方」と「並べ方」を決めておくことでした。

最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

大河原潤

大河原 潤

AI開発専門家

ブーム以前からAI研究に携わる、本物の専門家。「AIに使われる」のではなく、「AIを使いこなす」確かな技術力を提供します。

【アカデミックな裏付け】

  • カリフォルニア大学リバーサイド校 博士前期課程修了(研究分野:測度論、経路積分)
  • アメリカ数学会のジャーナルに論文発表

【社会的に認められた専門性】

  • AI関連書籍:『誤解だらけの人工知能』(2018年)、『AI×Web3の未来』(2023年)
  • プログラミング専門書:実務的な技術書を2冊出版(確かな実装力の証明)
  • 100社以上のAI導入コンサルティング実績、特許売却経験あり