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AIに社外秘を触らせないためのハーネス設計:顧客データを外に出さない5つのルール

公開日
POSII COLUMN

AIに社外秘を触らせないためのハーネス設計
顧客データを外に出さない5つのルール

——「便利」と「安全」のあいだで、線をどこに引くか

顧客の数字をAIに見せたいが、外に出てしまうのが怖い。会計代行の現場で、いちばん多く聞く心配はこれでした。

先日お話しした会計入力代行の方も、同じ点を挙げていました。「A社の情報がB社に出たら困る」「社外に出るのも良くない」。ここでは、自社で実際にやっている考え方をもとに、顧客データを外に出さないための設計を整理します。

なお、ハーネス設計の基本は、すでにハーネス・エンジニアリングの記事で書いています。この記事はその関連編です。

◇

前提:トレードオフになっている

ハーネス設計は、ガチガチにすればAIが動けなくなり、緩めれば危なくなる、というトレードオフです。突然クレジットカードを入れたからといって、AIが買い物を始めたりはしません。必要な部分は、Claude Code側がある程度は設計してくれています。そのうえで、「この権限は与えてはいけない」を自分で決めるのが、権限設計です。

ルール1:外に出る出口は、下書きで止める

私の運用では、WordPressの記事、Facebookの投稿、Xの投稿、メールは、すべて下書き保存までです。送信ボタンを押すのは人間。AIは文面を考えて、入力欄に入れるところまでを担当します。

ルール2:分析結果は「外には出さない」と明記する

もっとも確実なのは、設計に書いてしまうことです。

顧客のデータ分析結果は、WordPress・SNS・メールなど外部に出る場所には、絶対に書かない。

「うまく気をつけて」ではなく、禁止として書く。これで、記事を書かせたときに分析結果が混ざる可能性を、設計として塞げます。

ルール3:外向けの文章では、社名を伏せる

どうしても事例として書く場合は、「A社」「B社」のように伏せ字にする、と決めておきます。ルール2のうえに重ねる、もう一枚の保険です。

ルール4:顧客ごとに作業の場所を分ける(一案)

通常の設計では、A社の情報がB社に出ることはありません。そのうえで念のため、顧客ごとにフォルダを分け、作業はその中だけで行う、という運用も考えられます。

ルール5:お金が動く作業は人の手に残す

振込のように実際にお金が動く作業は、Claude Codeにできなくはありません。ただ、間違えたときに取り返せないので、人の手に残します。請求書の作成や仕訳の入力は任せやすい領域です。

◇

制限しすぎると、今度は使いにくくなる

確認だらけにすると、AIの「待ち」が増えて、かえって手間になります。私の場合は、1件ずつ確認するのではなく、10件分をまとめて入れてもらい、1回で確認する形にしています。安全と速さの両立は、確認の「回数」ではなく「まとめ方」で調整します。

  • 止めるところ:外に出る出口(公開・送信)、お金が動く操作。
  • 書いて禁止するところ:顧客データの外部への記載。
  • 任せるところ:入力、整理、下書き、分析。

守るべき線を先に決めておくと、AIには安心して広く任せられるようになります。

最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

大河原潤

大河原 潤

AI開発専門家

ブーム以前からAI研究に携わる、本物の専門家。「AIに使われる」のではなく、「AIを使いこなす」確かな技術力を提供します。

【アカデミックな裏付け】

  • カリフォルニア大学リバーサイド校 博士前期課程修了(研究分野:測度論、経路積分)
  • アメリカ数学会のジャーナルに論文発表

【社会的に認められた専門性】

  • AI関連書籍:『誤解だらけの人工知能』(2018年)、『AI×Web3の未来』(2023年)
  • プログラミング専門書:実務的な技術書を2冊出版(確かな実装力の証明)
  • 100社以上のAI導入コンサルティング実績、特許売却経験あり