クラウドファンディング2回成功から、
いまβ版で何が起きているか
応援してくれた人に、いちばん先に伝えるべきなのは「順調です」ではなく、「いま何が起きているか」だと思う。だからこの記事は、うまくいっている話も、まだできていない話も、同じ温度で書く。
2回の成立が約束したもの
worry.team は、クラウドファンディングで2回、目標を達成した。1回目は「AI猫に悩みを聞いてもらえる」という入口で、2回目はそこに「心の調子を測って見える化する」という骨格を足した形で、支援をいただいた。2回目で預かったのは、お金というより「測れるなら見てみたい」という期待だったと受け止めている。
いまは β版として公開中で、2026年11月の正式ローンチに向けて開発を続けている。いま使ってくださっている方は13人、ポジティブ貯金の投稿は71件、コーチへの相談は5件(2026年8月19日時点)。研究所として言えば、これは規模の証明ではなく、観測の対象があるという意味の数字だ。13人が毎日のように書いている71件の記録から何が見えているか——それが β版の中身である。小さい数字を隠すつもりはない。小さいからこそ一人ひとりの使い方が読めて、それが今いちばんの財産になっている。
β版で分かったこと:「測る」より「続ける」が難しい
worry.team の核は、日々の短い投稿や会話から7つの感情(喜び・怒り・悲しみ・自信・困惑・恐怖・孤立感)を読み取り、幸福度・ストレス度・落ち込み度・孤独感の推移を見せることにある。いわば心の体温計だ。体温計は熱を下げない。でも測るからこそ「今日は休むべきか」が分かる。
β版を公開して最初に突きつけられたのは、体温計は毎日測ってもらえなければ、推移が描けないという当たり前の事実だった。測る仕組みは動いた。難しかったのは、測り続けてもらうことのほうだった。
だから β版の改良は、精度よりも「続けられる理由」に寄せた。短い一言でいいから書くと、AIが何か返してくれる「ポジティブ貯金」。性格の違う6匹のAIパートナーとの会話。そして、自分の推移が一枚のグラフになって見える「心の調子」。測ること自体を目的にせず、「誰かに一言書く」の副産物として測れるようにする。これが β版で固まった方針だ。

いま、できていること
- ポジティブ貯金:日々の短い投稿にAIパートナーが返す。貯まっていく手応えが、続ける理由になる。
- AIパートナーとの会話:6匹がそれぞれ違う役目を持つ。気づく・見つける・整理する・動く・じっくり聴く。役目の中身は別の記事で書く。
- 心の調子:感情の推移グラフ。「自分の平熱」が見えてくる。
- 相談:人のコーチに相談できる枠。AIでは足りないときの受け皿。
8月にやったこと
派手な新機能は増やしていない。この1か月は、通知や購入まわりのメール、予約の重複防止、ボット登録への対策、管理画面の整備といった、細かい不具合を多数修正し、有料機能の基盤を固める作業に使った。地味だが、11月に月額制のプランを出すなら、先にここを固めないと何も始まらない。

できていないこと、やらないこと
測る精度はまだ上げる余地がある。AIパートナーの言葉づかいも、毎週のように直している。そして、これは最初から決めていることだが、worry.team は「良くします」とは言わない。体温計が熱を下げないのと同じで、測ることと、状態を変えることは別の仕事だからだ。私たちが引き受けるのは「わかる」「気づく」「続けられる」までで、そこから先は本人と、人のコーチと、必要なら医療の仕事になる。
worry.team は精神科医の今野裕之先生(精神科専門医・精神保健指定医・日本ブレインケア・認知症予防研究所所長)と提携している。ただし先生は運営者ではなく、個々の相談内容の判断には関与していない。つらさが何週間も続く、眠れない日が重なる——そういうときは医療機関や公的な相談窓口へ。AIパートナーは全員、危機のサインを受け取ったら会話を引き延ばさず、相談窓口へ渡す設計になっている。
11月に向けて
残り3か月でやることは、月額制プランの公開、心の調子グラフの見やすさ、そして6匹のAIパートナーの会話品質の3つに絞っている。やらないことも決めている。それは次の記事で書く。
2回支援していただいた期待に、いちばん誠実に応える方法は、測れるものを測り、測れないものを測れないと言うことだと思っている。
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