Redmineに「@claude」と書いたら
AIは何をして、何をしなかったか
Redmineのチケットに「@claude ○○して」と書くと、Claude Codeが無人で作業して結果を書き戻す。この仕組みを2026年7月28日から8月25日までの約1か月、実際の仕事で使いました。動いたのは17回。うまくいったのは13回、失敗は4回です。
仕組みの作り方は前回の記事で、コード付きで紹介しました。→ Redmine×Claude Code自動化:チケットに「@claude」と書くだけでAIが無人実行する仕組みの作り方
今回はその続きで、実際に何を頼んで、どうなったかの記録です。うまくいった話より、つまずいた話のほうが役に立つと思うので、失敗した4回も全部書きます。
何を頼んだか
17回の内訳を、依頼の種類ごとにまとめました。金額は、Claude Codeが実行のたびに返してくる「この実行にかかった費用」の数字です。私は定額プランで動かしているので、この金額をそのまま払ったわけではありません。重さの目安として見てください。
| 頼んだこと | かかった時間 | 表示された費用 |
|---|---|---|
| 動作確認(「動いていたら一言返して」) | 10秒 | 約0.12ドル |
| 書籍原稿の節を1つ削って、つなぎ直す | 約3分 | 約1.03ドル |
| 原稿の図の表現をどう直すかの検討 | 約6〜9分 | 約2.0〜2.2ドル |
| サイトで作ろうとしている企画が法的に問題ないかの整理 | 約6分 | 約1.32ドル |
| サイトの注意書きを、どのページに置くかの検討と修正 | 約20分 | 約6.71ドル |
| 連携を打診する団体の候補を調べて表にする(何往復か) | 約7〜10分 | 約1.9〜3.5ドル |
短い確認なら10秒で終わり、調べものや複数ファイルの修正になると10分前後、サイトの修正方針から決める依頼は20分かかりました。依頼の重さと時間・費用は、だいたい比例します。
いちばん良かったのは「チケットに全部残る」こと
連携先の候補を調べる依頼(上の表の最後)は、1回では終わりませんでした。結果を見て「大学の学部ではなく、サークルや団体のほうが合う」「地域を変えて、3件ではなく20件ほどほしい」と注記で返し、また@claudeで頼む。これを何往復かしています。
この往復が、全部そのチケットの履歴に並ぶのが良いところです。ターミナルで頼むと、やり取りは会話の中に流れて消えます。チケットなら、何を頼み、AIが何を返し、私が何を直させたかを、あとから順番に読めます。裏取りの強さを「◎13件/○6件/△1件」のように分けて返してきたので、次にどこを人が確認すればいいかも、その注記を見れば分かりました。
AIが「何もしなかった」とき
書籍原稿の修正を頼んだときのことです。結果の注記を開くと、ファイルを1行も変えていませんでした。
理由は、その修正がすでにファイルに入っていたからでした。私が手で直したあとに、同じ依頼を注記に書いていたのです。AIは最終更新の時刻とバックアップを見比べて「反映済み」と判断し、二重に削って原稿を壊さないよう、確認だけをして返していました。
判断としては正しい。でも私は最初、結果を読み違えて「ファイルを変更してないとはどういうこと?」と書き返しています。
学んだこと:AIが「やらない」と判断したときは、その結論を報告のいちばん上に書かせる。長い検証結果の途中に埋もれると、人は「サボった」と読んでしまう。
失敗した4回の中身
4回の失敗のうち、3回は利用上限でした。
- セッションの上限(2回):ブログの下書きを続けて2本頼んだとき。1本目の途中で上限に達し、2本目はすぐにエラーになりました。
- 週の上限(1回):サーバー構成の検討を頼んだ夜。週の枠が尽きていて、1秒でエラーが返ってきました。
- 出力なし(1回):何も返さずに終わったもの。その後に書いた依頼は、普通に動きました。
見落としがちなのは、チケットからの実行も、自分がふだん使う分と同じ枠を使うという点です。自分が日中に使い込んだ日は、チケット側の依頼が止まります。重い依頼を何本も積むなら、自分が使わない時間に回すほうが安全です。
合図の文字を打ち間違えると、何も起きない
地味ですが、実際にあった失敗です。急いで書いた注記が「@cluade」になっていて、その依頼は拾われませんでした。
仕組みは「@claude」という文字列をそのまま探しているので、1文字違えば何も起きません。しかもエラーも出ないので、待っていても返事が来ないだけです。返事が来ないときは、まず合図の綴りを見る。いちばん先に確かめる場所です。
1か月使って分かった、向いている依頼・向かない依頼
| 向いている | 向かない |
|---|---|
| 調べて表にまとめる(何往復か直させる前提) | その場で何度も確認しながら進めたい作業 |
| 原稿・資料の決まった箇所の修正 | メール送信・公開・削除など、取り消せない操作 |
| 方針の検討(結論を注記で読んでから人が決める) | 本番環境への反映(ここは人がやる運用にしている) |
取り消せない操作は、そもそもAIへの指示の段階で「やらずに、人に委ねる」と縛っています。チケットに書けば何でもやってくれる仕組みではなく、下ごしらえまでをAIに任せて、決めるのは人という分担です。
はじめるなら、この3つを決めておく
- 誰の注記で動かすか:私は自分のユーザーの注記だけを拾う設定にしています。チームの誰かが書いた@claudeで勝手に動かないようにするためです。
- 何をさせないか:送信・公開・削除・本番反映はさせない、と最初に決めて指示に入れる。
- 結果をどう書かせるか:結論を先に、成果物の場所を最後に。報告の形を決めておくと、注記が読みやすくなります。
Redmineを使っている会社なら、ふだんの「チケットで仕事を振る」流れのまま、AIに仕事を渡せます。新しい道具を覚えてもらう必要がないのが、いちばんの利点だと感じています。
社内のRedmineやチケット管理にAIをつなぎたい、という方はご相談ください。自社で1か月動かして分かった失敗ごと、お伝えします。→ お問い合わせ